【シーゲルの罠】 株式投資の未来のレビュー ②

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株式投資の未来のレビュー第2弾です。

前回は配当に対する課税が考慮されていない点について書きました。

 

👇前回記事はこちらから👇

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今回も引き続き疑問に思ったことを記事にしました。

私が気になったのは大恐慌の時の配当再投資戦略についてです。

※記事タイトルはシーゲルの罠としていますが、本書の内容が間違っているという意味ではありません。

 

 

大恐慌は幸運だった?

本著では1929年に始まった大恐慌は、長期投資家にとってプラスの出来事だったと語っています。

ほとんどの投資家にとって、1929年以来、株式市場は目も当てられない惨状だった。暴落をきっかけに大恐慌が始まり、米国市場未曾有の大不況となった。

だが借金してまで買おうとしなかった長期投資家にとって、この25年間は惨状とはほど遠い。

「株式投資の未来」161ページから引用

本著ではこの大恐慌は長期投資家にとって「買い場」であり、大恐慌が起こったおかげで保有株を大幅に増やすことができたと述べられています。

しかし、はっきり言ってこれはただの結果論だと思います。皆さんは実際に25年もの間、高値を更新しない株式を買い続けられますか?

最近ダウ平均が大きく下落すると「買い場だ」という声が多く聞こえますが、大恐慌のように5年間下落し続けてもその度に株式を購入し続けられますか?

よほど我慢強い人以外は途中で株式の購入を控えると思います。

 

日経平均ホルダーは幸運か?

大恐慌前の高値を次に超えたのは1954年11月と25年以上かかっています。

では1989年末に史上最高値をつけた日経平均株価は30年近くたった今、以前の最高値を更新しているでしょうか?

答えはいうまでもありませんが、仮に下落相場は買い場と考えてバブル崩壊前の1989年末から日経平均連動ETFを買い続けていたとしたら、果たしてどの程度のリターンが得られたでしょうか。

1989年末以降、「日経平均」という銘柄があったと仮定して、毎月1万円ずつ積み立て投資した場合の累積投資額と保有資産の評価額を計算した。

配当込みの日本株指数で計算すると、評価額は累積投資額を足元では2割強も上回っている。

引用元:日本株、バブル後の積み立て投資がついにプラス転換: 日本経済新聞 2013/11/25

1989年末から2013年までの積み立てでリターンが2割強ということは、年率で計算すると1%程度のリターンであり、これなら国債を買っていた方がマシです。

このことを考えると、長期にわたる下落相場=投資家にとってプラス要因、と単純には考えられません。

 

アメリカの環境は日本とは違う、ダウ平均は今後も右肩上がり!と考える方もいらっしゃると思います。

しかし、バブル崩壊前に株式投資をしていたら、多くの人は「日経平均は今後も右肩上がり」と考えていたでしょう。

下図は1980年のGDPを1として各年のGDPを単純に割ったものです。

アメリカ 日本 GDP推移

参照データ:日本のGDPの推移 - 世界経済のネタ帳

 

GDPの成長率としては1990年まで日本の方が伸びていますし、人口はまだ増加過程にありました。

バブル崩壊前に30年後の今の日本の状況と日経平均株価を予測することはとても難しかったと思います。

現在アメリカは2030年頃に中国にGDPで抜かれると予想されています。これからの30年間、ダウ平均が日経平均のようにならないと言い切れるでしょうか?

 

 

実際には私は米国株の未来はまだまだ明るいと思います。ただ、米国株でも数十年にわたって株価が低迷する可能性はありますし、それを損切せずに買い続けるのは少し無謀なトレードではないかと考えています。

 

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結論

「株式投資の未来」は配当による効果や株式投資の優位性を解説した素晴らしい1冊だと思います。

しかし、配当再投資戦略は本来とても難しいものでかなりの忍耐が必要とされます。

今は最近の強気相場のおかげで多くの方が含み益を抱えているため表面化していないだけで、多額の含み損を抱えたまま配当再投資を行なうのは決してバカでも簡単にできる投資法ではありません。

リーマンショック時にはS&P500でさえ50%程度下落しました。同様の金融危機が来た時に多額の含み損を抱えても、皆さんは愚直に配当再投資を続けられますか?

 

私は最初にこの本を読んだときは配当再投資で株式投資をやっていこうと思っていましたが、忍耐力がなかったため現在は押し目買いを中心としたスイングトレードに切り替えています。

 

今後のダウ平均が過去30年間の日経平均のチャートをなぞらないことを祈ります。

 

 

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